ジモアマガジン[2011春号 e-Book]
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ソムリエール――女性のソムリエ。「この漫画を通して、ワインの知識を広げていくだけでなく、新しい分野にも目を向けて世界観を広げていけたらいいと思っています」。 そう語るのは、フランス・パリ出身のラメ・ヴァンサンさん。「本当に日本のことは何も分からなかったけど、日本のきめ細かいサービス精神には興味があった」というラメさんは、6年前に誘われたことをきっかけに来日した。現在は驚くほど流暢な日本語を話しているが、漢字の読み・書きなど、まだまだ勉強中だ。そんなラメさんにとって『ソムリエール』は、ワインの勉強になるだけでなく、とてもよい日本語教材でもあるのだという。「ワイン自体のことはもちろん、主人公が女性なので、日本の女性がワインを飲んでどのような言葉でその味や色、風味、香りといったものを表現するのかということも知ることが出来ます。お店のスタッフもみな読んでますよ」。 「フランスのコミュニケーションを大切にしたサービスと、実際に日本の飲食店で培った“気配りの接客”。それらの経験を活かして、日本にあったやり方で提供していけたらいい」。そう語るラメさんは、ワイン好きにはもちろん、これからワインを嗜みたいというビギナーの方にもこの本はお勧めだという。漫画=娯楽というだけではなく、楽しく学べるものでもある、ということをあらためて思い出させてくれたように感じた。CDから配信サービスへ、音楽との付き合い方が多様化と変化を続ける現在。インターネットを利用した音楽の世界は、もっと新しい可能性を秘めているはず。そこで、音楽とWEBの関係に詳しい高田馬場のESPミュージカルアカデミーの杉本先生にお話を聞いた。「ソムリエール」集英社Ⓒ 城アラキ・松井勝法/集英社MusicBookVol.5MYマイホンInterview/Text:Momoko Fujiiラメ・ヴァンサン氏フレンチワインバー Le TerroirGeneral Managerパリジャン。フランスの有名レストラン数店を経て、六年半前に来日。現在目白駅前のフレンチワインバー「ル・テロワール」とガレットレストラン「ル・モンサンミシェル」のマネージャーを務める。Vol.5〜音楽×WEBの時代〜 いつも時代と共に音楽を聴くツールは変化してきた。今ではネットから楽曲をダウンロードするのはもちろん、簡単に世界中に発信することもできる。音楽不況と言われながらも夏フェスなどのライブの動員は増加傾向、ライブ後にその日の音源をCDやデータで買えるようなサービスも始まっている。 「CDが売れないと言っても、人々は音楽に興味が無くなったわけではないんです。単に今までのやり方では食いつかないだけで。だからこそ今は新しいスタンダードが生まれる前の1番面白いとき。着うたサービスだって、当初はこんなに一般的になるとは誰も思わなかったですから」と杉本さん。 最近はスマートフォンでtwitterやUSTREAMを使えば、PC同様に情報の取得・発信が可能。有名ミュージシャンやファン同士で交流できたり、道端で流れている曲をアプリで調べてその場で楽曲を購入したり、音楽周りの環境の変化は留まらない。 「たった3分あれば思いや感動を伝えられる。これは小説や映画など他の娯楽では難しい、音楽ならではの素晴らしさ」と杉本さんは語る。例えば今回の震災においても、チャリティーライブや楽曲配信で義援金を募るなどの活動がネットを通じて積極的に発信されている。新しいツールが増えることで世界の垣根がなくなり、音楽との新しい付き合い方が広がっていくことだろう。Interview/Text:Toshifumi Yokota杉本 和弘さん「専門学校ESPミュージカルアカデミー」WEBビジネス科(来春開講)学科長。音楽プロダクションにてアーティストのマネジメント、レコード会社「徳間ジャパンコミュニケーションズ」にて制作に携わる。同校マネジメント科を経て、新学科長に就任。音楽業界の若い力の育成に励んでいる。原作 城アラキ/漫画 松井勝法監修 堀賢一18

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