『20センチュリー・ウーマン』

THE MEIGAZA Vol.30

今回の作品は、第89回アカデミー賞脚本賞、第74回ゴールデン・グローブ賞作品賞、主演女優賞に
ノミネートされたアメリカ映画。シングルマザーの母と息子の葛藤溢れる物語は必見です！

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　この映画は1924年生まれのドロシアとその息子ジェイミーの1979年のひと夏の物語。ドロシアが彼の年頃だったとき、アメリカは第二次世界大戦の真っ最中。それは戦争に行った男性にかわって女性の社会進出への意志が大きく広がった時代でした。戦後アメリカの自由で多様な考え方が溢れかえった激動の時代を乗り越えて母一人で子育てをしてきたドロシアは２人の女性に相談をします。「ジェイミーを助けてやって。この混沌とした時代に自分を保って生きるのは難しい。でも私はついてやれない。子離れしなきゃ。私ひとりの支えじゃとても足りないわ」

二人はドロシアの家で家族のように暮らしながらジェイミーに語りかけます。子宮頸がんを患い帰郷した自由奔放な24歳の写真家アビー。2歳年上の幼馴染みジュリーはボーイフレンドを次から次へと変えながらも、どこか孤独を抱えたまま自分の家族を避けて毎晩ジェイミーのベッドにもぐりこむ。彼女たちの言葉は素直で純粋なジェイミーを通して私たちへ投げかけられる期待であり告白。70年代にパンクロックと性に目覚めた15歳のジェイミーは他の人とそんなに違わなかったかもしれないけれど、この夏は彼にとって特別でした。彼女たちの想いを胸にジェイミーはどんな成長をするのか。この半世紀のアメリカ女性たちの想いを振り返りながら、素敵な女性たちと息子の物語に身を委ねて欲しい一本。