「陰陽堂」を開院して12年。近隣のオフィス街で働く30代女性から、院長を頼って20年来通院する高齢の方まで、幅広い年代の方がここに足を運ぶという。それもそのはず、顧客とのつながりを大切にするのが「陰陽堂」のモットー。治療を受けた方が、そのよさを知人に薦める、といった口コミがこの治療院と顧客をつないでいる。通ってくださる方の日常に、何らかのプラスを与える、これが石川さんの仕事をする上での心がけ、一般の方から妊婦さん、役者さん、スポーツ選手など、その人に合ったマッサージを提供してくれるのも、ポイントである。病院での治療が必要だと判明した際には、紹介してもらうこともできるので、安心して利用することができる。
さっそく、筆者も石川院長にカウンセリングしてもらう。「右肩に強い負担がかかっていますね」という石川院長の言葉通り、すぐにツボを押されて右肩に激痛が走る。「ここが痛い人は、日ごろ目を使い過ぎていますね」「首が結構こっていますね」・・・。始めは体の不調を何も自覚していない筆者であったが、言われてみてすべて納得。見えないながらも本当に、日常で負担のかかっている部位だけ痛みを感じるのだ。患者さんは、このカウンセリングを経て、全身の状態を診てから実際の施術に入るという。「元々どこかの不調を訴えて来院する方が多いのですが、別の不調箇所や原因が見つかることもありますよ」とのこと。あくまで治療法を押しつけるのではなく、どのような治療がいいのか患者さんと相談して決めるのが「陰陽堂」の方針。そのため、鍼に抵抗を感じる方には整体や電気のみの治療も選択できるという。
続いて体験したのは、人気の電気治療。実際この治療を受けるためだけに、来院する方も多いという。治療を受けてみて実感、心地よい刺激が足に伝わってきた。マッサージ器などでよく知られている低周波に高周波を組み合わせた電流により、ツボのある皮膚の表面付近から筋肉まで通電させて、不調を感じる部分を優しく治療していくという。プライベート感のある院内での、患者さんの不安を除く和やかな会話を心がけている石川院長。体調のことはもちろん、身の回りの悩みや仕事の話、そして体を整える上で気をつけた方が良いことなどアドバイスすることもあるという。特に妊婦さんへの治療には定評があり、口コミで遠方からも妊婦さんが集まってくるそうだ。
「いつも患者さんの満足を第一にしています」と石川院長。その信頼性からか大きな病院からの紹介で来院する方も多いそう。逆に必要であれば西洋医学の検査や治療を薦めて、提携医療機関と連携した治療も行っている。院長の信頼感と安心感は、開業前からの患者さんが着いてきていることや口コミで紹介の輪が拡がっていることがまさにその証明。これからも来てくれる人の調子が少しでも良くなり、その人たちの輪が少しずつ広がっていくことにこそ、「陰陽堂」の意味があるという。院長は「初めての方も大歓迎です。肩こりなどのちょっとした悩みでも、ひどくなる前にまず気軽にご相談ください」と語る。自分の体は大丈夫と思っていても、実際は気づいていない不調が秘められていることが多い。快適な日常生活を送るためにも、まずは一度自分の状態を確認することから始めてみませんか。(取材・文:木納静穂)
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