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【早稲田松竹】3/26(土)~4/1(金)『野火』『BULLET BALLET』

 

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塚本晋也監督『BULLET BALLET/バレット・バレエ』では、東京のアンダーグラウンドで起こる「戦争」を通して、暴力の被害者/加害者になってしまうことへの恐怖と恍惚が強烈に照らし出される。こちらにヒリヒリと突き刺さるようなヴァイオレンスの迫力も印象的だが、ザラついたモノクロームの不穏で幻惑的な映像が美しい。叩きつけるようなテンポでリアルとファンタジーの境を揺らぎつづける本作は、アクション映画でありながら疾走する青春映画であり、そして純然たる恋愛映画でもある。ひとつのメッセージに収斂されない、豊かなイメージが炸裂した傑作だ。

一方、最新作『野火』は大岡昇平の戦争文学の映画化だ。敵の姿もロクに見えないまま、飛び交う銃弾で兵士たちが次々と肉塊と化し、人肉を喰うか喰われるかの選択を迫られる。極限状態の恐ろしさは、いままでの塚本監督作品以上に不条理でホラー的だ。

塚本監督は2003年のインタビューで、スピルバーグの『シンドラーのリスト』を例に出し、 「ヒューマニズムを訴えているのに、殺戮シーンがあまりにすごい映画を観ると、ヒューマニズムを描くことと嬉々として人を殺すシーンを描くことの折り合いを、どうつけているのかと考えてしまいます。」と語っている。そして自分ならば、「映画の中で暴力そのものを圧倒的に描いてしまって、映画の中では、絶対に「暴力っていやあね」なんてことは言わない。でも、それを観た人が「暴力っていやだなあ」と自分で感じることで暴力が嫌いになる。映画のなかで、ある種、完結させず、暴走するほうが自分らしいし、子どもっぽいのかもしれないですが、むしろピュアかもしれないと今のところ思っています。」と続けている(「塚本晋也読本・普通サイズの巨人」より)。

『野火』でもその塚本監督の思想は一貫している。しかし『BULLET BALLET/バレット・バレエ』の暴力にあったファンタジックな高揚感やカタルシスは影を潜め、代わりにより即物的で生々しい痛みが全篇に満ちている。ここでは塚本映画本来のパワフルなグルーヴが、原作の精神を生かす形で新たな領域に到達しているのだ。私たち観客は主人公・田村一等兵とともに地獄の戦場に放り込まれ、いつ果てるともしれない理不尽な恐怖を体感することになる。塚本監督にこのような激烈な表現をとらせた背景に、3.11以降、如実に変容した日本国内の戦争に対する空気や、歴史を語り継ぐ戦争体験者の急減といった事実があったことは想像に難くない。「二度とこんな状況を蘇らせてはならない」という、塚本監督の想いが私たちを圧倒する。

やや状況は異なるが、「戦争」という共通項を持つこの2作品。続けて観ると、監督としてだけでなく、主演俳優であり、撮影監督でもある塚本晋也の才能の豊かさにあらためて瞠目すると思う。世界中で尊敬を集めながらいまだに進化をつづける、この稀代の映画作家の過去と現在をスクリーンで目撃してほしい。
早稲田松竹映画劇場(ルー)

BULLET BALLET/バレット バレエ
(1998年 日本 87分 35mm R-15 ビスタ/ドルビーA)
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2016年3月26日-4月1日上映
開映時間
【3/26(土)】10:20 / 13:40 / 18:10
【3/27(日)-4/1(金)】12:00 / 15:20 / 18:40
■監督・製作・脚本・撮影・美術・編集・照明 塚本晋也
■撮影・照明・スチール 天満眞也
■美術 山本学/細野太郎/木村亜希子/江原真美/堀内智恵
■音楽 石川忠
■出演 塚本晋也/真野きりな/中村達也/村瀬貴洋/田口トモロヲ/井筒和幸/金守珍/鈴木京香/井川比佐志/神高貴宏
■塚本晋也監督直筆サイン入りプレスシート販売あり(300円) ※数量限定

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10年間付き合った恋人・桐子を、拳銃自殺により失ったCMディレクターの合田。彼は恋人の死の真相を探ろうと、死の要因となった“拳銃”と“死”に傾斜し始める。ある夜、泥酔した合田は、以前ケガを負わされたことのある不良グループの少女・千里に出会い因縁をつけるが、逆に千里の仲間である後藤らに打ちのめされてしまい…。

 

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bullet5『鉄男』の塚本晋也が、監督・主演を務めたバイオレンス・アクション。監督がこだわって撮り続けてきた東京を舞台に、エッジの効いたモノクロ映像で描く「TSUKAMOTO NEO NOUVELLE VAGUE」ともいえる映像世界。初公開の2000年当時には、日本に先駆けてフランス公開が決定し、異例の逆輸入公開となった。塚本は、監督・主演のほか、製作・脚本・撮影・美術・編集・照明の8役を務めている。

 

 

bullet6主人公のCMディレクター・合田を塚本自身が演じるほか、不良グループの少女・千里にモデル出身の真野きりな、グループの一員・後藤に300名のオーディションから選ばれた村瀬貴洋、そして不良たちのカリスマ的存在を、本作が映画初出演となり、その後数々の映画・ドラマに出演を果たしている中村達也が演じる。ほか、鈴木京香、井川比佐志、井筒和幸、田口トモロヲら塚本組常連も参加している。

 

 

 

野火
(2014年 日本 87分 DCP PG12 ビスタ)
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2016年3月26日-4月1日上映
開映時間
【3/26(土)】12:00 / 15:20 / 19:50
【3/27(日)-4/1(金)】10:20 / 13:40 / 17:00 / 20:20
■監督・製作・脚本・撮影・編集 塚本晋也
■原作 大岡昇平
■撮影・助監督 林啓史
■サウンドエフェクト・サウンドミックス 北田雅也
■スチール 天満眞也
■音楽 石川忠
■出演 塚本晋也/リリー・フランキー/中村達也/森優作/中村優子/山本浩司/神高貴宏/入江庸仁/辻岡正人/山内まも留
■第71回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門出品/第39回トロント国際映画祭WAVELENGTHS部門出品/第15回東京フィルメックスオープニング作品/第30回高崎映画祭最優秀作品賞・最優秀新人男優賞受賞/第7回TAMA映画賞特別賞受賞/第70回毎日映画コンクール監督賞・男優主演賞受賞/第89回キネマ旬報ベスト・テン第2位
■オフィシャルサイト http://nobi-movie.com/
■パンフレット(800円)、関連書籍「塚本晋也×野火」(1000円)販売あり
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nobi3第2次世界大戦末期のフィリピン・レイテ島。日本軍の敗戦が色濃くなった中、田村一等兵は結核を患い、部隊を追い出されて野戦病院行きを余儀なくされる。しかし負傷兵だらけで食料も困窮している最中、少ない食料しか持ち合わせていない田村は早々に追い出され、ふたたび戻った部隊からも入隊を拒否される。そしてはてしない原野を彷徨うことになるのだった。空腹と孤独、そして容赦なく照りつける太陽の熱さと戦いながら、田村が見たものは…。

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nobi5戦争文学の金字塔と称される大岡昇平の小説「野火」を、『鉄男』『六月の蛇』などで国内外に知られる塚本晋也が、監督・主演で映画化。極彩色の原野をさまよう兵士の目を通して、戦争の愚かしさと人間の悲しみ、そして力強さを描く。

共演にリリー・フランキー、中村達也、新人の森優作ら。2014年の第71回ヴェネチア国際映画祭において、日本から唯一コンペティション部門に選出された。戦後70年を迎えた今こそ、戦争について、人間について問いかける。

 

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監督■塚本晋也
1960年1月1日生まれ。東京出身。14歳で初めて8mmカメラを手にし、『電柱小僧の冒険』('87)でPFFアワードでグランプリを受賞。劇場映画デビュー作となった『鉄男 TETSUO』('89)が、ローマ国際ファンタスティック映画祭でグランプリを獲得し、以降、国際映画祭の常連となる。中でも世界三大映画祭のイタリア・ベネチア国際映画祭との縁が深く、『六月の蛇』('02)はコントロコレンテ部門で審査員特別大賞、『KOTOKO』('11)はオリゾンティ部門で最高賞のオリゾンティ賞を受賞。
長年に渡って自主制作でオリジナリティ溢れる作品を発表し続ける功績を認められ、2009年のスペインのシッチェス・カタロニア国際映画祭では名誉賞、2014年にはモントリオール・ヌーヴォー映画祭から功労賞が授与された。
俳優としても活動しており、2002年には『クロエ』、『殺し屋1』、『溺れる人』、『とらばいゆ』の演技で毎日映画コンクール男優助演賞を受賞している。公開待機作に、遠藤周作原作×マーティン・スコセッシ監督『SILENCE(原題)』(2016年全米公開予定)がある。
塚本晋也公式HP
http://www.tsukamotoshinya.net/
filmo
普通サイズの怪人('86)
電柱小僧の冒険('87)
鉄男 TETSUO('89)
ヒルコ 妖怪ハンター('90)
鉄男 II BODY HAMMER('92)
東京フィスト('95)
BULLET BALLET/バレット・バレエ('98)
双生児('99)
六月の蛇('02)
ヴィタール('04)
玉虫~female~('05)
ヘイズ/HAZE-Original Long Version('05)
悪夢探偵('06)
悪夢探偵 2('08)
鉄男 THE BULLET MAN('09)
KOTOKO('11)
野火('14)

出展・早稲田松竹映画劇場

 

 

 

DATA
早稲田松竹映画劇場
TEL
03-3200-8968
住所
新宿区高田馬場1-5-16 
入場料:1,300円(大人)/1,100円(学生)/800円(ラスト1本)など

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